* ウソツキ *

「また…メールしてもいいかな?」
「うん、帰ろうか。いつまでもここに居るわけにもいかない」
2人で学校を出て最寄り駅までの間、
お互いに一言も話すことは無かった。

「どっちの路線で帰る?」
「今日は…こっち。じゃあね」
ここ最近、少しでも長く一緒に居たくて
わざわざ少しだけ遠回りな路線に乗っていた
それでも今日は自宅へ近い方の路線で帰る。

「そうか…じゃ、また来週」
笑顔で手を振る彼。
その姿は、いつもと変わらない
私は、どう接しようか悩み続けていた。
それでも彼がいつも通り接してくれて
話してくれて少しだけ気持ちが楽になった

[お疲れ様(*´`)今日はお話出来て楽しかったよ!
未だに私の中で整理出来なくて…ごめんね]
送信…。
余計なことかもしれない。
それでも、彼に少しでも関わっていたくて
メールを送る。


[お疲れー。謝られることをされた覚えはないのだが…。
まぁ、俺も口下手で上手く言えないけど
ここまで人の気持ちについて考えたのは久々なんだ。
だから、気にしないでほしい。
今まで通り、同じ曜日の仲間としてやっていこう]

〝気にしないで〟彼からの拒絶ととっても良いかもしれないこの言葉。

それでも、私は少しだけその言葉で救われた気がする。

[ありがとう(*´-`*)来週までには気持ちの整理頑張るね!]

友達でもいい…彼の近くに居れるなら。
そう、心の片隅では思っていた