* ウソツキ *

何度も何度も書き直して、
やっと送信ボタンを押せたのは私の家の最寄り駅に着いてからだった。

恋愛に興味のない彼を好きになった。

この時点で私に幸せなルートなど無かった。
そもそも、伝えなくても傍で見つめるだけで幸せだった。

ただ、舞夢に相談して2人でコソコソして
わちゃわちゃして。ちょっとしたことでドキドキして。
そんな片想いをしていただけで幸せなんだ。
もう、良いんだ…。

そう思ってる、思いたい…

彼に言った「分かってるっ!」の言葉。
あの瞬間、嘘がこぼれた。

ホントは分かってなんかない。分かりたくない
最寄り駅からのいつも帰り道。
涙で歪んだ星空は今でも胸に残ってる。