* ウソツキ *

「そのその…駅まで一緒に帰ろ」
舞夢のおかげで泣き止んだものの、
まだ少しだけ目が腫れていて恥ずかしい…

「いいよ、帰るか…」
「じゃあ、先準備して靴履いとくね」
「うん、待ってて」

靴を履き、園田くんを待つ間、
駅まで一緒に帰る予定の舞夢の姿を探すも見当たらない。
たまたま、お手洗いから帰ってきた
もっちーを見かけ、聞いてみたものの
「終電ヤバいから帰るって」と言われた。
もしかしたら、もうお店の外で待っているのかな。

「お待たせ。行こっか」
園田くんはスタスタと歩いていく。
その後を追う私。

お店の外に出ても、舞夢の姿は見当たらない

「あれ…舞夢、居ないね?
置いてきた…ことはないよね?」


「…気でも使ったんでしょ…?」

「えっ…!?」


思いもよらない言葉に驚く私…

「えっと…それは…どう言う…」

戸惑う私に彼は私を見ることなく淡々と呟く
「宮田さんの好きな人…僕ですか」
「え…あ…」
「でも、僕は…ずっと言ってる通り、
恋愛事には興味がない。
だから、君の気持ちには―」
「分かってるっ!」
思わず大きな声を出す私。