* ウソツキ *

「うーん…無理かな。俺には」
返事はいつもと変わらなかった。
「興味ないってこと?」
「そうだねぇ…興味ないかな。
何かさ、俺が恋愛に興味あろうが無かろうが
誰が俺に興味持つわけ?」

「居るよ!ちゃんと興味持って支えてくれる子!
気づいたら…ちゃんと居るから…」
少し声が大きかったらしく、舞夢が駆けつけてきた。

「なになに?どした?心暖、大丈夫?」
「舞夢…もう嫌だ。私、頑張ったよ…?頑張ってるよ…」
何故か少しだけ涙がこぼれる。

好きな人の隣に座る。と言う目標を達成し、
おまけに写真まで撮ってもらって。
もう、望むものなんて無いと思っていた。

それでも、彼の口から「恋愛に興味ない」と言われると
私自身の存在を否定されているような。
どうしようもない気持ちに押しつぶされそうになる…

「心暖、どうしたぁ…心暖は頑張ってるよ
それはみんな知ってるし…泣くなぁ」
ぎゅっと抱きしめてポンポンしてくれる舞夢。

少しだけ落ち着いた頃、私と舞夢。園田くんの終電時間が近づいていた。