* ウソツキ *

「行くよ、ケータイ貸して」
舞夢は私のポッケからケータイを奪うと
園田くんの所へ歩いていく。
「いや、ちょっと待って。心の準備…」
私も慌てて舞夢の後を追うものの、
心の準備が出来ないうえに、どうやって写真を撮ってもらうのか何も考えてなかった。

「そっのその〜心暖が写真撮ろって。いいよね?」
「宮田さん?いいけど」
「おっけ!じゃ2人並んで〜いくよー?」
「あ、黒田ぁ。俺も入る〜」
カシャ。直前にもっちーが乱入して来て
まさかの3人ショット。
「もう!誠が入っちゃったじゃん。
そのその、ごめん。もう1枚いくよー?」
カシャ。今度こそ念願のツーショット。

「そのその、ありがと!ほら、心暖いくよ」
「あ…ありがとうございます!」

舞夢に手を引かれ、隅っこの席を確保。

「ね?撮れたでしょ?こう言う時はノリが大事なの、分かった?」
「う…うん、じゃあさ舞夢のケータイも貸してよ
さっきのお礼する…」
「え?」
私にケータイを差し出す舞夢。
舞夢からケータイを受け取ると、私は〝彼〟を探しに行く。
「えっ、心暖!?どこいくのー??」
「ちょっとだけ待ってて〜!」