身長の高い男は私の腕を掴み、言った。

「もう、逃げられないんだよ。」

絶望的な一言。泣きたい。でも、泣いたって仕方ない。何か行動を起こさなきゃ!

とにかく抵抗するものの、男の人の力は強い......

身長の高い男が言う。
「あれを持って来い。」

そう言われた二、三人の中の一人が何処かへ行ってしまう。

取り残された数人は私を強く抵抗出来ないように床を押さえた。

冷たく固い床が身体を傷つける。

痛い。痛いよ。


すると、身長の高い男は注射器を手に、私の元へやって来た。


それは覚せい剤??


その時......
「優花に手ぇ出すなよ!」

と、ドアの方から声がする。


全員、ドアの方を見る。

ドアにはリュウが居た。

何でリュウが居るの?


「剛馬、やっぱりお前、薬やってたんだな。」
リュウがゴウちゃんに対してそう言うと......


「は?今更、何言ってるんだよ。」

その時のゴウちゃんの声は聞いたことも無いような低い声だった。


「お前らバカだな。何で余裕かましてんだよ。」

バタバタバタ__

足音がする。

突然、ドアから警察官が10人ほどやって来た。

警察官は此処に居る身長の高い男や子分の二、三人の男達、ゴウちゃんは警察官に取り押さえられた。



リュウは男達やゴウちゃんが取り押さえられてる間に私を引っ張って、Clubから逃げた。

助かったぁ!

空を見上げれば、夜になってて、天の川が流れてた。

そっか、今日は7月7日、七夕だった。



「でも......ありがとう......」
ボソッと私は言った。


「当たり前だろ。約束したんだから。」
約束......?

私、リュウとなんか約束してたっけ?


「約束って......?」
リュウの顔を見て聞く。

「覚えてねーのかよ。じゃあいいよ、思い出さなくて。」
リュウは呆れる。


私は思いだそうとする。
ふと空を見上げた私。