高校に入学して数ヶ月が経って、友達も出来て、新しい彼女が出来て、平穏な日々を過ごしていた。

しかし、俺は今の生活に満足など出来なかった。


~休憩時間~

次の授業は化学の実験だった。

俺は同じクラスの友人、村井と教師の愚痴を零しながら、理科室に向かった。

「リュウ!」

理科室に向かっている途中、誰かに声をかけられた。

振り返ると、そこにはサクヤが居た。

そういえば、サクヤと話すのは久しぶりだ。

「リュウに聞きたいことがあるんだけど。」

「村井、先に行って。」

「おう。」

と、村井だけ、先に理科室へ向かわせた。

「で、何だよ、聞きたいことって?」

「佐奈と付き合ってるのか?」
単刀直入に聞かれ、戸惑う俺。


「何でサクヤが知ってんだよ。誰から聞いた?」


「ケイが言ってた。でも、本当なんだ、付き合ってるってこと。」

ケイの奴、べらべらとサクヤに喋りやがったな。
口が軽いんだよ、ケイは。



「リュウさ、無理してない?」

「は?無理なんてしてねーし。」

そうい言った途端、イキナリ大きな声を出したサクヤ。

「あっ!ヤバッ、俺、トイレ行くつもりだった!」

「俺もそろそろ、理科室行かねーと、教師に怒られるわ。」


そして、俺は理科室に向かい、サクヤはトイレに直行していった。