そう思って、教室でゴウちゃんに声をかけようとした時____

「ブルルル......」

電話が鳴った。

スマホの画面を見ると、電話の相手は万理らしい。

一旦、電話に応える。

「はい。もしもし。」「やっほー!優花、調子どう?」

相変わらず、ハイテンションな万理。



「万理はやっぱりテンション上げ上げだね。」

久々に万理の声が聞いた。
呆れるような、安心感があるような......よくわからないけど、万理は万理だなって思った。


「もしかして、今日のテストボロボロだった?」

何で、万理が今日テストがあること知ってるの?

「何で今日テストあるって知ってるの?」

「佐奈がテストだって、うるさいからさ。そんな時期に優花に電話するのは少し迷惑かな?って思っちゃって。」

気にかけてくれたんだ。万理、ありがとう。

万理は私に言った。

「ねえ、今日テストも終わったみたいだし、遊ばない?」

遊ぶの、久しぶりだな......

「そうだね!遊ぼ!佐奈達も誘う?」


「大人数の方が楽しいもんね!誘っておいて!」

と、甲高い声を出す万理。


「わかった!誘っておく。」


「じゃあ、私、優花達の学校の正門で待っておくからね。」

そう言われて、電話は切れた。

この際、ゴウちゃんも誘おうかな。


「ねえ、ゴウちゃ......」

私が電話を切った後の教室にはゴウちゃんの姿は無かった。

相当テスト、出来なかったんだろうな。