「もしもし。」

サクヤが電話に出てくれた。

「「あのさ......」」

二人の声が重なった。


「いや、何でもない。」

私はそう言って、自分の発言を控えた。


サクヤはちっさい声で言った。

「ごめん。俺、優花と付き合えない。ホントにごめん、妊娠させてしまったのにこんな無責任な俺で。」

「違う......」

そう言おうとしても、サクヤの声で遮られる。

「ごめん。バイバイ」


と、電話は切られた。