由宇との話もうわの空のまま、会社に戻る

さて…備品購入か…

席を立ち、神野に外出を告げ、会社を出る

近くの文具屋やスーパーを周り、
市役所へ…

紗都…ほんとに離婚するの?

愛してるんじゃないの?

だって壱弥があの人を選んだのなら私は…



気がつけば、手には離婚届

封筒に入れてバックにしまう

今日は早退しよう…

話し合いの前に書いとかなきゃ…



会社に戻ると、仕事を終わらせ、早退届を出す

歩くのも面倒で、約束のホテルのカフェで
離婚届にサインする

判子は…まだ押す勇気はない…

封筒に入れてバックに戻す

目の前に影ができた…

顔をあげると

「まった?」

「今来たとこ」

目の前に壱弥が座る

「髪も服も…似合ってる」

「ありがとう…すぐ気づいてた?」

「昨日見てびっくりしたけど、それどころじゃなかったから。」

「そっか…壱弥も子供達もびっくりさせたくて切ったのに
私の方がびっくりさせられちゃった…」

「昨日…見たんだろ?俺が女の人と歩いてるところ…」

「うん…美容院の帰りにね…
…綺麗な人ね…清楚で…スタイルもいいみたいだし…」

「そうかな…そんなふうに見てなかったからわからないけど…」

「じゃあ、中身に惹かれたんだ…そっか…」


「・・・あのさ…俺、あの人とそんな関係じゃないぞ?」

「じゃあ、これからそんな関係になる予定なの?」

「そうじゃなくて!…そろそろ時間だから、悪いけど場所変えよう。」

「なんの時間?私はここでもいいのよ?書類もここに…」

バックをごそごそしていると、腕を掴まれ、立たされる

「時間ないんだ。来て・・・「ちょっと!どこにいくのよ!」」

腕を掴んだまま、どんどん歩きだす壱弥