それがどけだけ凄いことか、きっと、明は気付いてない――…。


ずっと見てきたから。


私の目が、いつだって君を追いかけるから。


どこにいても輝いてて、人に囲まれてて、心からの笑顔で笑ってる明を見てきた。


羨ましくて、時には妬ましくて。


私も、明みたいになれなら――なんて、馬鹿みたいに考えた時もあった。


お母さんとお父さんが付けてくれたこの名前が嫌いなわけじゃない。


嫌いじゃないけど、好きともいえなくて。ちゃんと、好きだって、私は私なんだと胸を張って言えるようになりたい。


そうすれば、心の蟠りも取れたりするのかな…。


もっと心の底から笑えたりするのかな…。


明がいなくても、1人でも、笑えたりできるかな……。



「………バカバカしい…」



自分の心を否定するようにそっと呟き机に伏せた。


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