『狂っていたのは、僕だった』〜くる僕〜








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『悠…?こっち見て?』




兄さん…?




『悠、ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ』





ほら、って具合に


兄さんは僕の首を指でなでおろす




『どうしてほしいの?』




『キスしてほしい?それとも、もっといいこと?』





《ちゅっ…っちゅ》



「んんっ…はぁっ…兄さ…ん」





深く


キスをした



縛り付けられてるこの腕の痛みも


兄さんからの愛だと思うと


すべて


欲しかった






もう少し





このままでいさせて




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《AM9:30》






よく寝た





とても良い夢だった





儚く終わってしまったけど





兄さんとまた、会えた



苦しくて、ゾクゾクと



僕を奮い立たせる夢だった












触れていたい





兄さんと繋がっていたい







僕はあの“計画”を



実現したくて






再び、考え立てようとしていた







我慢しろ



我慢だ





もう少し










あと少しばかりの我慢で






兄さんと2人になれる








いや、1つになれると






自分に言い聞かせて






また今日も



僕は変わらずに







「兄さん、おはよう」





そう言った