励ましてくれてるのか面白がっているのか解らない真央ちゃんと一緒に歩いて帰っていると、私達の少し前を歩いてる二人に気付き、私は更に落ち込んだ。前を歩いてる二人は高1の時、男女別人気ランキング1位同士になった事がきっかけでいつも一緒に帰っていたから、私も含めて皆付き合ってると思っている。前を歩くその男子が私の幼馴染みで片想い中の星那だから私は落ち込んだわけで、さっきまで励ましてくれてるのか面白がっているのか解らない真央ちゃんが今度は本当に気を遣ってくれて「さっき勝司達がプールの掃除頼まれてたけど、絶対遊んでるから驚かしに行こうか。」と言ってくれたが、「今日は留守番を頼まれているから早めに帰らないといけないんだ。」と真央ちゃんに言った「そっか」と真央ちゃんも言ったきり、2人は黙ってしまい、いつもの駅まで沈黙が続いた。星那のお母さんと私のお母さんは幼馴染みで、同じ時期に結婚した二人は何も無い山の上にポツンと2件の家を建てたから、同じ年の星那とは『兄妹みたいに沢山遊んでたなぁ。。』お互いの家で泊まりっこしたり、旅行に行ったりしていたっけ。そういえば昔星那が家に泊まっていた時、私を起こした星那が「良いもの見せてあげるから」って言って二人で夜の海を見に、庭から降りられる階段を下って海を見ていたな。そしたら星那が海に移る星を見て「海那(みいな)と星那みたいに仲良しだね!大人になっても星那は海那の事が大好きだよ!」って言ってくれてしばらく海に映る星を見ていたっけ。
『あの時の海は本当に綺麗だったなぁ。』なんて考えてたら、私と真央ちゃんの間をすり抜けて、前を歩いてる星那に飛び付く転校生が見えた。真央ちゃんと二人で顔を見合せ様子を伺ってたら「ごめん、今日はここで。大丈夫?」と千夏ちゃんに言って、転校生と一緒に反対のホームに向かって行った。本当だったら星那と同じ電車になったらわざと電車を1本を遅らせるんだけど、この日はお母さんに留守番を頼まれているから、星那と同じ電車に乗った。車両を変えて椅子に座ると、向こうの車両で、転校生が星那に話しかけてるのが見えた。電車が最寄り駅に到着して、星那の家の奥にある自宅に行く為、門の前で話をしてる二人を追い抜こうとした時、急に転校生に腕を引っ張られ、星那の家の玄関に連れて来られた。?!ビックリした私は星那の家の玄関で転校生と引っ張りっこしてたら星那が「海那も上がれよ。」と言ってくれたので私はまたもビックリして呆然としてると、転校生が「ほら、早く」と言って玄関の中まで押された。結局星那に「お邪魔します」を言えないまま私は、星那の部屋に立っていた。そんな私に星那は黙ってコーラをくれて転校生に話かけていた「潤、いつ帰って来たんだ?」と話かけていた転校生はコーラを開けると「ん~?昨日カナダから帰ってきたんだ」なんて話していたけど、私には何の話しか、転校生が誰なのか?どうして星那は私も部屋に入れてくれたのか意味が解らなかった。でも久しぶりに入った星那の部屋は家具が黒に統一されて昔の部屋とは変わっていて、時間が経過した事に気付かされた。でも、この部屋の空気は変わっていなくて少し安心した。「マジかよ?!嘘だろ。。。」の声で星那の方を見ると頭を抱えて「勘弁してくれ!」と嘆いていた。一方謎の転校生は、片手をピースしながらコーラを飲んでいた。その状況は私にはますます訳が解らないけど、星那が落ち込んでる事は解った。『この転校生、星那に何言ったんだろう』と転校生を見ていると突然私に向き直り「海那はまだ解らないの?落ち込むわぁ」と言いながら笑っていた。前髪を書き上げて見せてくれた目には見覚えがあった。昔こんな綺麗な目をした男の子と遊んだ。。事あった。。「え、ウソ?!潤?!えっと確か。。。北山潤君!」「はい、海那気付くのおそい」と言って急に抱きついて来た‥‥?!!?頭の中が完全に混乱している私をそのままに「もう。昔も可愛いかったけど、今、チョーヤバイ位可愛いよぉ」と言ってまたも抱きついて来ようとして来たのを星那が止めてくれた。潤に少し距離をおきながら少し冷静になって今のこの状況を観察した後潤に「潤君、まさか星那の家に泊まるの?!」と聞いたら、「ううん。星那の部屋の隣に住むの♪星那のママがオッケ-してくれたんだ!星那、海那よろしく」と私達の肩を叩いた。星那が未だに落ち込んでいて、なんて慰めてあげたら良いのか考えようとした時、お母さんからラインが来て留守番の約束を思いだした私は、落ち込む星那と楽しそうに手を振る二人を置いて自宅へ戻った。星那を励ましてあげれなかったなぁ。と今更後悔した。