「聖琉ちゃん!」 体育館の扉の手前、突然聞こえた聞き慣れた声の方へ振り向く。 「涼宮君! 遅れるなんて珍しいね」 ――あぁ……身長差が眩しい……。 「応援旗のペンキ塗りだよ」 私達の学校では、文化祭がメインのため、ミニ体育祭が5月の中頃にある。 新しいクラスでの最初の大行事だ。 「聖琉ちゃんは……あのイケメン君と付き合ってるの?」 「えっ!? 見てたの!?」 「目立ってたから、さ」