キミの声を聞かせて。




――なんでだ?


やっぱりまだ気まずいままなのか?



「……ごめん。遊佐からは何も聞けてなくて昨日何があったかまでは知らないけど……」


「けど?」


「泣いて走ってったって聞いた」


「…………」


「……泣かせてごめん」


「……過ぎたことだよ。それに、もう会わないから。もう忘れる」


彼女の表情から感情が全く読み取れない。

中学の頃……幼なじみの俺に聖琉の気持ちがわからないことなんてなかったのに。