キミの声を聞かせて。




――なんで、なんで……。



そう繰り返して、泣いた。


私の大好きな声。


私の大好きな彼の視線。


それを向けられる人は私じゃなくて、私の隣りにいる――茉由。


彼の視線は私を通り抜けて茉由に向けられていた。


茉由が、すごく……すごく羨ましくて仕方がなかった。


告白なんて絶対できない状況の中、私は悩んで悩んで悩みまくった。


でも、答えは出なかった。