キミの声を聞かせて。




彼を好きだと思えるだけで幸せな気持ちになれる。


それだけで充分だった。


告白なんてしない。


想いなんて伝えない。


そうは決めたものの、離れ離れになる時期は、もうそこに迫ってきていた。


高校受験。


私と川谷君の志望校は別。


高校に上がったら、もう見つめる事さえも許されない状況になってしまう。


決して枯れる事のない、彼への恋心。


でも伝える事はしない。


そう決めたのは私。