キミの声を聞かせて。




もしかしたら彼も、私と同じ気持ちを持ってくれてるかもしれない。


そんな淡い期待を持っていた時期もあった。


けれど、3年に上がって彼のカッコ良さに気付き始めた女子達が、キャーキャーと騒ぎ始めた。


龍の情報で、私は川谷君が女子嫌いなのは知っていた。


でも私のことは嫌ってない、という情報も。


私に都合が良すぎて信じられなかった。



――私ももう嫌われてるかも、告ったら絶対振られる。



そうとしか思えなくなった。


元々話した事もないし関わりもないから、振られて気まずくなる、とかそんな心配は必要ない。


けど、見つめる事ができるこの幸せを手放したくなかった。