キミの声を聞かせて。




そんな彼が、私の大好きな声で、



『久しぶり』



と、そう声をかけてきたのだ。



――まだ……、まだ、好きなのに……。



少し、間があったと思う。


でも、緊張で強ばる体を無視して、私は声を振り絞って答えた。


「ひさ、しぶり……」


彼は私が答えてくれたのにほっとしたのか、はぁ、と少しため息をつく。


それにびくっ、として、私はつい、顔を上げてしまった……。