キミの声を聞かせて。




「……龍。行こう」


そう言って、リアが龍に近付く。


「お、おう」


龍は私の様子に気付いているのか、戸惑いの色が見える声で答える。


先に歩き出す2人。


私と川谷君の間は、手を伸ばせば届く距離。



――中学の時、こんなに近付いた事なんてなかったのに。



私はまだ体が硬直していて、その上顔も上げられない。