キミの声を聞かせて。




「キョウー!!」


いかにも可愛らしい感じの声で、涼宮君を呼ぶ声がした。


涼宮君の口からやべ、という声が洩れる。


「げ、また来た」


リアが不服そうに顔を歪める。



――また?



涼宮君に呼びかけたのは、男バスのマネであり、私達と同じクラスの

汐見 杏都(シオミ ナツ)。



身長149cmという、私から見ると可愛い以外の何モノでもない低身長、

肩上の茶色いボブを揺らすふわふわ系女子。



ナツちゃん、と呼びにくい事から、入学当時から『なっちゃん』、と通称で呼ばれている。