キミの声を聞かせて。




もう恋愛とは無縁の俺。


「こんな時期にいるわけないだろ」


「じゃあ前に……いた?」



――なにか、深い意味があるのか?


手嶋さん、って言わせようとしてる?


でも今言ってしまったら……。



――まだ好き、とか絶対に自覚なんてしない。


もうすぐ受験なのに邪念が出てしまう。



「あぁ、森さん。係一緒でちょっと話したりした。今はなんでもないけど」


「……そう、なんだ」


俺はこんな平気で嘘なんか付けるんだ。


自分でびっくりした。