キミの声を聞かせて。




「"もう"好きじゃない、はずだったんだ。なのに……

なんであんなに取られるのが嫌だったんだろ」



そう、俺はあの男に手嶋さんを取られるって思って、すごく……イラだった。


俺は手嶋さんと公園にいる時、沈黙に耐えられなくなって飲み物を買うのを口実にその場を離れた。


帰ってきた時にちょうど、桜ヶ丘高校の制服(よく見えなかったけど)を着た背の高い男子が手嶋さんと話してて、



『ところで、さっきまで一緒にいたのは彼氏?』


『違うよ、川谷君は――

あの人は、中学の時のクラスメイト』



という会話が聞こえた。