キミの声を聞かせて。




『手嶋 聖琉く――さん』


『う……ぁ、はい』



入学式で担任の先生が、



『手嶋 聖琉 君』



と言おうとして噛んだ後、あの周りを騒がせた美少女が、

やっぱり、と言いたそうなうつむき気味の赤い顔で立って返事をした。



仲良くなって聞いてみると、聖琉は男子っぽい自分の名前が嫌いで、

良く間違われるから嫌だ、と言っていた。



男子が聖琉に向ける目、とか魅力的な女の子、と表現したけど、

それは聖琉の容姿に原因がある。