キミの声を聞かせて。




「ごめん、いきなりだけど、ずっと言いたくて……」


沈黙に耐えられなくなったのか、涼宮君が口を開く。


「えっと……私……」


「取り込み中申し訳ないんだけど、俺帰りたいからそこどいてくれる?」


彼は私達のすぐ側にあるベンチの上の自分のバッグを指さして言った。


「か、川谷君!?」



――なんてタイミング……。


まさかこんな所見られちゃうなんて。



「ご、ごめん……」


涼宮君もこんなタイミングで人が現れると思ってなかったのか、慌ててその場をどく。



そして川谷君は黙ってカバンを取り、数秒涼宮君の目をじっと見た後、


「じゃあ、俺達帰るから」


と言った。