キミの声を聞かせて。




私が少し考えたのがわかったのか、涼宮君はふーん、っと何か言いたげな返事をする。


「彼氏じゃないんなら良いや。今から部活前に言いかけたことを言うけど、良い?」



――部活前に言いかけたこと?



『あんま調子のんなよ』



部活前の、莉華の黒い声を思い出した。



――やだ。やだやだやだ。思い出したくないのに。



そういえば、確かに涼宮君は何か言いかけてたかもしれない。


「う、うん。なに?」



――涼宮君にまで悪口言われたらどうしよう。


中学の時にクラス全員に嫌われたみたいに、皆に嫌われてたらどうしよう。



――涼宮君に……嫌いなんて言われたらどうしよう。