――え、えーっと……なにがどうなって、こうなったのかな。



心が乱れていたせいで何も考えずに川谷君の横を歩き、

気が付いた時には桜ヶ丘高校の近くの公園のベンチに2人して、一定の距離を保ったまま座っていた。



――と、とりあえず……。



「あっ、ありがとう!」


少し上ずった声で、1人分の空間をあけて隣にいる川谷君にお礼を言う。


「……なにが?」


「えっ、と……あはは……」



――なんとなく、お礼を言いたいって思ったから。



――川谷君が横にいてくれたお陰で、落ち着くことができたから。



なんて、なんで泣いてたのか説明もしない私が言えたことじゃないから、笑ってごまかした。