キミの声を聞かせて。




「いいよ。もう大丈夫だから」


私は笑顔で彩絵に答える。


こんな風になってしまった私は、元に戻ることができるのかな。


こんなに性格が曲がってしまった私は、本当の自分を取り戻すことができるのかな。


2年の秋――


つまり、私が川谷君に恋する日が近づいていた。


私は彩絵が部活を辞めると同時に、新たな自分へ変わる1歩を踏み出していた。


そう、始まりの鐘が鳴っていたんだ。