「あのさ、部活、辞めることにした」 「え……」 前から言ってはいたけど、もう季節はすっかり秋。 もう1年もすれば引退だ。 「やっぱ顧問ウザくてさー!! ムリだわ。後輩とも上手く行ってないし」 「そっか、彩絵が辞めちゃったら大変になるなー……」 彩絵が辞めてくれたら、もう二度と苦しむことはないんだと喜ぶ自分がいた。 「……聖琉、今までごめん」 「え??」 「いっぱい、本当にひどいことした」 それは、彩絵の突然の言葉だった。