「歩香が、なに? ……まぁ良いや。もうちょっと距離置こうか。じゃ、バイバイ」


彩絵が歩香を連れて歩いていく。


「あんな子、部活辞めちゃえば良いのに」


彩絵の声が聞こえた。


結局私は、自分だけが悪者になることを選んだ。


私が3人の中で一番憎んでいたのは、もしかしたら歩香だったのかもしれない。


歩香は――最高に最悪な"偽善者"だ。