キミの声を聞かせて。




『彼氏ほしいぃーー』



そう言って机の上にうなだれた聖琉を、もうすでに学校に来て、

クラスのヤツと話してた男子達が一斉に見る。



――どいつもこいつもそんな獣みたいな目しやがって。



学年で1番可愛いと言われている聖琉が、「彼氏欲しい」と言ったのだ。


そりゃあ、周りの男子はその言葉を聞き逃さないでしょ。


それに、ただでさえ聖琉と同じクラスになっただけで、喜んではしゃいでるヤツもいる。



机に突っ伏して泣きまねをする聖琉。


聖琉が鈍感なのを良い事に、男子達はチラチラと気持ち悪い目を向ける。