そして私は何も悩むこともせず、すぐに吹奏楽部の体験に行った。 先輩はすごく優しくて、今年の1年は例年より多いことも知った。 だからほとんどの楽器が埋まっていて、私が選ぶ余地はなく、 「コントラバスとかどうかな?」 その先輩の一言で、私はコントラバスに決まった。 低音の練習部屋に入った瞬間、チューバを吹いていた彩絵が振り返って、にっこり笑いながら、 「よろしくね!」 そう言った。