「こ、これは……その……」


「聖琉ちゃんの荷物取って」


彼女のカバンを見つけて、指さす。


1番近くにいたなっちゃんが、慌てて俺にカバンを預ける。



「全部持ってる聖琉ちゃんに嫉妬するのはわかる。

けど、俺が聖琉ちゃんを好きなことで聖琉ちゃんを嫌うなら、俺が許さないから。

それに、俺は聖琉ちゃんのことが好きなの、やめないから」



「っっ……!」


その場にいた全員が、何も言えず、下を向いた。


……雪希ちゃん以外は。