「はあぁぁぁ……」 泡だらけのコップを持ったまま、私は大きくため息をついた。 練習終わり、コップとかの後片付けの時間が、私の唯一1人になれる時間。 後片付けに使ってる水道は、昼間の炎天下とは想像もつかないほど涼しい風が通る外にある。 ――リアとは気まずいままだし、龍とも喧嘩っぽくなっちゃったし、莉華(リカ)には睨まれちゃうし……。 今日ってほんと最悪な1日だったなー。 莉華と肩がぶつかったのは、偶然だと信じたい。