「キョウー! 何、今日遅いじゃーん!」


彼女はいつもと変わらない顔で涼宮君に話しかける。



――涼宮君と、話してたから、か。



涼宮君はバスケ部のアイドル。


私は所詮、ただのマネージャー。


それに女子バスケ部の。


それが彼女の気にくわなかったんだろう。



「っっ!」


蘇ってきそうな中学の記憶を必死に無視して、私は歯を食いしばって部室へ走った。