「みさき、さっきの授業教えろー。」


いまのは、周哉だ。すっごいバカだ。
テストの点数は、10~20の範囲。
ほんと、バカ。恋愛対象から遠すぎる。


こいつは、ただの幼なじみ。


「ええ、めんどい。ママに教えてもらいなよ。」


こいつの母は、先生なのだ。


「母さんかあ、鬼なんだよな。」


「仕方ないでしょ。周哉相手じゃ。」


「うんうん。」


「おい。美香まで納得すんなよ。」


でもこいつは、



美香のことが好きなんだ



見ればわかる。



本人に聞いたことないけど、きっとそうだ。


心のどこかでがっかりしてる自分がいたりしないこともない。





私よりも美香に接する時が優しいのだ。


「また、競争しよーぜ!点数!」


「ええ、また?」


「どうせ、美紗希が勝つから私はパス。」


「じゃ、俺と美紗希な?」


「まあ、やれるもんならやってみな?」


「言ったな?」


「おう。」