美月~大切なあなたへ~

「日明先生、白衣似合いますねぇ。」



日明先生の目の前の席の男子が言った。




「先生、眼鏡も超似合ってますよぉ。」




隣の女子も言った。





…私が思ってること全部言われた…





「そーかぁ?嬉しいなぁ。
んなこと言ってくれたの、お前らが初めてだ!サンキューな!愛してるゼ!」




先生の冗談混じりの言葉に理科室中が笑いに包まれた。







…私だって思ってましたよ、先生……







「んじゃ、授業開始な!
お前ら、教科書2冊あんだろ?一分野と二分野。最初は二分野からだから、一分野は次の授業から、持って来なくていーから。」






話しながら先生は眼鏡を外して、白衣の胸ポケットへ差した。





私はその姿に見とれながら、授業をきいた。





今日は授業が初めてだから、どの順番で勉強していくのか。
ノートのまとめ方。
テスト前のワークとノートの提出とかを話されて、余った10分で静電気の実験を見せてもらった。



静電気の勉強は二年生だけどなぁって、日明先生はお茶目に笑った。




きっと、日明先生は本当に理科が好きなんだ。


あんなに楽しそうに理科の話をして、実験する大人は初めて見たもん。







授業が終わって、教室に戻るまでに、日明先生の白衣がかっこよかったって言ったら、「ありえない!あんなオッさん!!」って、みっちゃんに言われた。



皆は冗談でカッコイイって言っていたらしい。

…私は本気だよ。



…別に男の人として好きとかじゃないけど。