土手の上に立つと同時に、強い風が吹いて、私の視界が奪われた。 目にかかった髪を払って、ゆっくりと川辺に目を向ける。 …………一瞬、時が止まったように感じた。 棄てられたように川辺に点在する大きな石の1つに腰掛けて、風で乱れた髪も直そうとしない。 表情はどこか落ち着いていて、瞳はどこか遠くを見つめていた。 近づいていっていいのか分からなかったけど、私の体は躊躇いなく進んでいた。