10月も下旬になり、半年前に入学した初々しさも消え失せていた。
「いずみ~ごめん!今日これから歯医者なんだ、一緒に帰れない。」
「うん!わかった!じゃあねー」
いつも一緒に帰る美満がいないと1人で帰ることになってしまう。
それがさびしい。
「はぁ。」
「お姉ちゃん…!」
「!!」
「俺らと遊ばね~?」
「け、結構です…!」
「あぁ?」
男の1人が私を強く押して、私は倒れてしまった。
「や、やめてください!!」
「…はぁ?」
「やめろよ。」
「…誰だ、てめぇ?」
私と同い年っぽい男の子が私の周りにいた男2人を殴ったのです。
「てめぇ…」
その人は残った男1人をギロリとにらむなり、
「この子に手ぇを出したら俺が許さねぇから…」
男たちはその顔をみるなり、飛んで逃げていきました。
「あ、あの…。その、ありがとうございます」
コクンとうなづき走って行ってしまった。