1時間、みっちり生花の指導を受けた杏は、帰り支度を始める。
「杏ちゃん」
杏の肩を叩き、御影が呼ぶ。杏は手を止め御影を見る。
「今夜、夕飯一緒にどう?」
『ゴメンなさい。今日は、龍が早く帰るってメールが来たから、もう帰らなきゃ』
杏の言葉に、御影は溜息をついた。
「そうか、仕方ないな…龍は元気?」
…龍は御影の事を知らない。
…それに対し、御影は龍の事をよく知っている。
『うん、とても元気。元気過ぎるくらい』
そう言ってニコッと笑った杏は続けて言う。
『…龍には、会わないの?』
杏の言葉に、御影は苦笑する。
「…やめとくよ。龍は、俺なんかに会いたくないはずたから」
『そんな事ないよ』
御影は力なく笑って、首を振る。
『…御影先生』
「…杏ちゃんも、もう、俺の事、先生としか呼ばなくなったね」
『…御影先生は、生花の先生だから』
「…前みたいに呼んでもらいたいよ。もう、俺の事を下の名前で呼んでくれる人が居なくて、淋しいんだ」
『…』
困惑顔の杏を見て、御影は苦笑した。
「困らせてゴメン…気をつけて帰るんだよ」
『…うん…また来週』
そう言うと、杏は和室を出て、廊下を歩いて、玄関に行き、靴を履く。
その時だった。
『綾子ちゃんから聞いて、御影の家まで迎えに来た』
…龍からのメール。
「杏ちゃん」
杏の肩を叩き、御影が呼ぶ。杏は手を止め御影を見る。
「今夜、夕飯一緒にどう?」
『ゴメンなさい。今日は、龍が早く帰るってメールが来たから、もう帰らなきゃ』
杏の言葉に、御影は溜息をついた。
「そうか、仕方ないな…龍は元気?」
…龍は御影の事を知らない。
…それに対し、御影は龍の事をよく知っている。
『うん、とても元気。元気過ぎるくらい』
そう言ってニコッと笑った杏は続けて言う。
『…龍には、会わないの?』
杏の言葉に、御影は苦笑する。
「…やめとくよ。龍は、俺なんかに会いたくないはずたから」
『そんな事ないよ』
御影は力なく笑って、首を振る。
『…御影先生』
「…杏ちゃんも、もう、俺の事、先生としか呼ばなくなったね」
『…御影先生は、生花の先生だから』
「…前みたいに呼んでもらいたいよ。もう、俺の事を下の名前で呼んでくれる人が居なくて、淋しいんだ」
『…』
困惑顔の杏を見て、御影は苦笑した。
「困らせてゴメン…気をつけて帰るんだよ」
『…うん…また来週』
そう言うと、杏は和室を出て、廊下を歩いて、玄関に行き、靴を履く。
その時だった。
『綾子ちゃんから聞いて、御影の家まで迎えに来た』
…龍からのメール。

