俺様ヤンキーにこの愛を捧ぐ

杏の車は、御影邸の前の駐車場に停まった。そして後ろから、持てるだけの花を持つと、玄関に向かって歩き出す。と、ヒョイっと誰かがその花束を取り上げた。

驚きつつ相手を見れば、御影だった。

『こんにちは、御影先生。とても助かりますけど、私の仕事を取り上げないでください』

「だって、まだまだ花束はあるだろ?一人より、2人の方が時間短縮になる」

『そうだけど…』

困ったように微笑めば、御影もニコッと微笑んだ。

ここは、素直に厚意に甘えようと、残りの花束を抱えて、2人で中に入った。

御影流の生花教室は、毎回沢山の生徒がやって来る。

真面目に生花を教えてもらいに来る者。

イケメンの御影に会うために来る者。

様々だ。

しかし、いつも、献身的に御影の隣で花の世話をする杏を見て、2人はきっと恋仲なのだろうと、生徒達が噂していた。

そんな事は絶対ありえないのに。

教室が終わると、杏の個人レッスンが始まる。その間は、誰も和室に入ってくる事はない。