俺様ヤンキーにこの愛を捧ぐ

そんな龍の複雑な気持ちなど知らないまま、杏は、仕事に打ち込んだ。

「杏さん、お疲れ様です」
『あ、お疲れ様です。もう大学は終わったの?』

「はい!もう少ししたら、御影さんのところに行くんですよね。店番しますから、ゆっくりしてきてくださいね」

杏と話しをしているのは、桜井綾子、22歳。大学四回生。『Anne』を始めた頃から、ずっとバイトで入ってくれてる女の子。

大学を卒業したら、正式に、正社員として、Anneで働く事になっている。

杏にとっては、強い味方。

『いつもゴメンね』

杏の言葉に、綾子は笑顔で首を振る。

「いいんですよ。御影さんの生花教室で、しっかり勉強してきてください!あー、でも、御影さんて、本当に素敵な人ですよね〜。あんな彼が欲しい!」

綾子の言葉に、杏はクスクスと笑う。

『綾子ちゃんも一緒に行けばいいのに。たまに早くお店を閉めても問題ないよ?』

「ダメ!ダメです。だって御影さんは」
『…?』

小首を傾げる杏の背中を押して、綾子はその後の言葉を飲み込んだ。