--in学校--
「はぁ…」
階段を一段ずつちょこちょこ登る。
右足使えないだけでこんなに大変なんですねェ…
いささか疲れました…。
「春?」
「篠宮くんっ」
篠宮くんに会えて気分が一気に明るくなる。
「おはようございます」
「おはよ」
「あ、マドレーヌ作ったんです。
いかがですか?」
いつも通り笑顔で聞く。
「いや…オレは…」
? どうしたんでしょう?
「味なら大丈夫ですよ?
今日はまだ夏野にしか食べてもらって無いんですけど、
夏野も美味しいって言ってくれましたし…
「あのさ!」
私の声が篠宮くんの重い声にかき消される。