リビングのドアを開けると春姉が笑顔で迎えてくれる。
「あ、冬季おかえりなさい」
「ただいま」
「亜由ちゃんいた?」
「うん。 大丈夫」
「そう。 じゃぁご飯食べよっか」
パタパタとキッチンに入って行く春姉。
それに続いてキッチンに入る。
「待っててくれたの?」
「夏野と秋葉はもう食べちゃったんだけどね」
「ごめん、春姉。
でも先に食べててくれても良かったのに」
「だって1人で食べるご飯は美味しくないもん。 ね?」
まぁそうかもしんないけど…。
別にオレもう中学生だし、そんなこと思わないんだけどな。
寂しいとかってこの年になったら、自然に思わなくなるじゃん。
そういうもんでしょ?
なのにこの兄弟は。
春姉はいくつになってもオレらの面倒見るし。
夏兄は無意味に絡んでくるし。
秋姉はなんだかんだでオレのこと気にしてくれるし。
3人のことは嫌いじゃない。
でも、もうオレら中高生なんだよ。
兄弟離れしてもいいじゃん?