春姉も夏兄も秋姉も兄弟みんなを大事にしてる。


もちろんオレだって3人のことは大事だ。


でも、もう少し兄弟離れしてもいいと思う。


小さい頃から両親が忙しくて、いつも兄弟が一緒だった。


だから大事にするのもわかるんだ。


オレら“4人”が世界だから。


けどオレらももう話しがわからないようなガキでも無いんだ。


もう少し離れてみてもいいと思うんだ。


炊飯器のスイッチを入れて再び洗濯物を畳む。


すると玄関のドアが開いて閉まる音がする。


秋姉が帰ってきた。


パタパタとスリッパの音がすると思えばリビングのドアが開き秋姉が入ってくる。


思ったより早かったな。


今日は健といたの見たし、遅いと思ったのに。



「おかえり」


「ただいまー」



またパタパタとスリッパの音を響かせてキッチンへ入っていく秋姉。


キッチンに入ってすぐに顔だけオレの方に出す。



「冬ー今日の炊飯器当番私じゃなかった?」


「ヒマだからやっといた」


「そっか、ありがと!

じゃぁ畳むの手伝うよ」



今度は体も出してオレの横に座る。


いまだ洗濯物の山と化しているところから、上から順番に取っては畳んでいく。