「負けた方がジュースおごる!」
「はいはい」
「行っくぞー♪
ぜってぇオレが勝つかんな!」
昔っから勝負事が好きなんだから……。
でも。
勝負事って聞いて私が負けられるわけ無いでしょ?
「っだーっっ!!!!」
ただでさえ騒がしいゲーセン内でもうるさいと感じるくらい大きな声を出した健。
「健うるさい」
「だって! だって秋葉!
なんで秋葉が勝つわけ!!?
オレ最近秋葉がゲーセン行ったとか聞いて無いよ!?
コソ練してたの!??」
犬のように騒ぐ健に
「するわけ無いじゃん、健じゃないんだから」
って言うと
「悔しい! 悔しい!!
悔しい~っ!!!」
ってまた更にうるさくなる。
「もーうるさいなぁ……」
「もう1勝負!!」
「ヤだ」
「お願いっ!」
手の平を合わせて懇願してくる。
「………しょうがないなぁ…」
このチワワのような瞳で見られると弱い。
ってゆーか私、健には結構弱い……と思う。