「秋ちゃんって頭いいね」


「この前の模擬テストもよかったんだって?」


「相原、お前の姉みたいに頑張れよ」



そんな言葉、もううんざり。


勉強は嫌いじゃ無い。


頭いいね、とか。


スゴイね、とか。


言われるの嫌いじゃないから。


自分の努力が認められたって思えると嬉しいから。


でも。


最近、自分の頭じゃ出来ないこともあることに気づいちゃったんだ。



「あーきは♪」


「…健(タケル)」



コイツは幼なじみの健。


お気楽バカ男。


あ、バカってとこ強調してね?


そこ、大事だから。


だってさ?



「秋葉浮かない顔してんじゃん♪

どうしたの?」


「アンタと違って私にはイロイロあんのー」



私の冷たい言葉にも健は



「えー?

秋葉ひっでェなぁっ」



なんて言っている。


健には何の遠慮も無しにズバズバ言える。


学校でも家でも私はあまり本音を吐けないし(ってか吐かない)、吐いちゃいけない気がする。


だから私はズバズバ言えちゃう健との関係が好き。


まぁ健にとってみれば



「オレそんな役回り!?」



ってなるだろうけど。