「梶原!」
部室から出てきた中森がこちらに向かって走ってくる。
「傘無かったから駅まで入れて」
「えっ!?」
まさかの展開に、顔が赤くなるのがわかった。
「なんだよ、お前も駅行くんだろ?いいじゃん。ほら行くぞ」
中森は私から傘を奪い取り、傘を開いた。
「なにぼーっとしてんだよ。行くぞ」
戸惑いながらも私は中森に従うしかなく、なくなく傘へ入った。
ーーーーーーー
雨は相変わらず止みそうもない。
早く止めば同じ傘に入らなくてすむのにという、私の願いは叶いそうになかった。
「バスタオルサンキューな。お前がいて助かったわ」
中森は私のバスタオルを肩にかけている。
汗くさくないかな。
さっきからずっと心配で仕方がなかった。
あまり大きくない傘にふたり。
肩があたりそうであたらない微妙な距離。
雨の音なんかよりも、
ドキドキしている心臓の音のほうが大きくて聞こえているんじゃないかと思ってしまう。
中森とこんな近い距離にいることなんて今までになかった。
どうしても意識してしまう。
部室から出てきた中森がこちらに向かって走ってくる。
「傘無かったから駅まで入れて」
「えっ!?」
まさかの展開に、顔が赤くなるのがわかった。
「なんだよ、お前も駅行くんだろ?いいじゃん。ほら行くぞ」
中森は私から傘を奪い取り、傘を開いた。
「なにぼーっとしてんだよ。行くぞ」
戸惑いながらも私は中森に従うしかなく、なくなく傘へ入った。
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雨は相変わらず止みそうもない。
早く止めば同じ傘に入らなくてすむのにという、私の願いは叶いそうになかった。
「バスタオルサンキューな。お前がいて助かったわ」
中森は私のバスタオルを肩にかけている。
汗くさくないかな。
さっきからずっと心配で仕方がなかった。
あまり大きくない傘にふたり。
肩があたりそうであたらない微妙な距離。
雨の音なんかよりも、
ドキドキしている心臓の音のほうが大きくて聞こえているんじゃないかと思ってしまう。
中森とこんな近い距離にいることなんて今までになかった。
どうしても意識してしまう。



