着替えを済ませた私がご飯を食べに行くといつもに増したご馳走が並んでいた。

財閥なのだからある程度豪華なのはいつもの事。しかしこんなに豪華な食事が朝食に出るのは珍しい。


朝からご馳走というのもげっそりする物で、いつもならだいたい控えめな食事が出されている。

料理はお手伝いさんがしてくれているので文句は言わない。私の家では、代々私達の仕事事情を知っている家系のお手伝いさんを雇っているのだ。


ちらっと隣をみるとハルトもまた苦い表情を浮かべていた。

しぶしぶ席について食事を始める……と。


「珍しいじゃん。お母さん達が朝から家にいるなんて。」


ハルトと私の両親が食卓にやってきた。
普段は夜仕事に出て昼頃まで帰ってこないことが多いので、平日に両親やハルトの親と会えることは滅多にない。

「ああ、ちょっとな」

それだけお父さんが返事をして席につき食事を始める。