美術館の外でハルトと合流する。


私が目当ての宝石を彼に放り投げると

「あぶねーだろ」

と冷めた声で言いながらキャッチして、月にかざして眺めている。


整った顔をしているハルトのその姿は、なかなか絵になり、少しだけ見とれていた。




「なんだおまえ、ついに俺に惚れたか?」

なんて無邪気な笑顔で言うもんだから

「そんなわけないでしょ」

と受け流す。



帰るよ、と彼の顔を見た時、少し悲しそうに見えたのは見間違えの……はず。